ご挨拶

ホキ美術館は、日本初の写実絵画専門美術館です。
写実絵画の魅力とは何でしょうか。画家が見たままに、そしてその存在を描いた作品。1年に数点しか描くことができないほど、画家が時間をかけて1枚の絵と向き合い、こつこつと緻密につくりあげた作品です。
その世界を目の当たりにすると、絵は、現実以上に多くのことを語っているのを感じていただけるでしょう。
日本で、写実の作品を見る機会はまだ多いとはいえません。
ホキ美術館が、ゆっくりと作品を鑑賞していただける「癒しの美術館」になることができればと願っております。
また、美術館の建物はこのコレクションのために設計されました。
地上1階、地下2階の三層の長い回廊を重ねたギャラリーで、一部宙に浮いている部分もあります。
ぜひ多くの方にご覧いただき、皆様のお力添えをいただくことで、日本の写実絵画がさらに発展していくことを願っております。

保木将夫
2010年10月
ホキ美術館創設者 保木将夫

インタビューへ

作家とともに歩む美術館を目指して

父が創立した千葉の写実絵画専門美術館ホキ美術館の3周年を前に、館長を引き継ぎました。
私は子供のころから絵を見るのが好きでしたが、海外で絵画を買っていた父が、森本草介氏の1枚の絵との出会いをきっかけに写実絵画のみを集めるようになりました。
やがて隣家を展示場兼収蔵庫にし、年に2回近所の方にお披露目していたのが話題になり1日に1000人もの方がいらっしゃるようになりました。それで美術館設立が決まったのです。それからは、父と国内外のさまざまな美術館を運営の観点で見て歩きました。
そうして2010年11月に開館したホキ美術館ですが、当館は当日であれば入館券を受付にご提示いただければ何度でも出入りが自由です。
隣接する昭和の森を散策されたり、レストランで本格的なイタリアンをお楽しみいただいたり、1日のんびりと絵に向き合っていただければと思っております。

現在、所蔵は約500点。ほとんどが日本の現役作家の作品で、当館のための描きおろしも多数あります。
今後も作家とのコミュニケーションを深め、作家と共に伸びていく美術館を目指してまいります。
さらに新たな写実作家を発掘し応援するために「ホキ美術館大賞」を2013年より制定させていただきました。
これは40歳以下の画家を対象に3年ごとに行う公募で、入選作品は当館で展示され、そこから新たな若い写実画家も育ってきています。
当館の作品をぜひ多くの皆様にご高覧いただき、今後も日本の写実絵画がさらに発展していくことを願っております。

保木博子
ホキ美術館館長 保木博子

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